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2013年3月22日金曜日

大阪市大正区・ピコ・ソーキそば

大阪市大正区・ピコ・ソーキそば ■ ピコ ■

 「ソーキそば」
  700円

 価格の満足度 ★★★★☆
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★☆☆
 総合     ★★★★☆

 このところ熊本ラーメンばかり食べ歩いていましたが、大阪へ旅したついでに最近某局の朝の連続ドラマで有名になったという、大阪市大正区へ足を伸ばしたので、久しぶりに沖縄そば!となりました。ちょうど一年前まで、しばらく大阪府内に住んでいた当時、大正区には沖縄出身の方が多いと聞いて一度足を運ばねばと思いつつも、週末は欠かさず九州へ帰宅していたために、ついぞ訪問せずにいたエリア。

 大阪市大正区のサイト( http://www.city.osaka.lg.jp/taisho/page/0000170950.html )によれば『大正区は古くから沖縄出身の人々が多く移り住み、その実数は定かではないが、区民の4人に1人が沖縄出身者ともいわれており、平成24年4月現在、大正区の人口は約68,000人であり、約17,000人が沖縄出身者とその家族である。』とのこと。であれば区民の皆さんの日常には沖縄文化がチャンプルーされているはずだと確信し、そのコアになっていそうなアーケード街『サンクス平尾』の最寄バス停、平尾を目指し、梅田から直行できる市営バス55番の鶴町4丁目行きに乗り込みました。

 バスに揺られて町を眺めるのは楽しいもの。あみだ池筋を南下してゆくと、水の都だけあってバス停は『堀』『橋』がつく名前が続きます。赤手拭稲荷前を過ぎてしばらく西進したあと、再び片側3車線の大正通りを南下。大正区役所前を過ぎてしばらく先の目的地、平尾でバスを降りてすぐ南にある路地を東の方へ見通すと、その先に目指す『サンクス平尾』のアーケードが見えていました。

大阪市大正区・ピコ・外観 遠目に見ると人通りが多そうに見えた『サンクス平尾』アーケード街ですが、西端まで来て見るとそろそろお昼近い時間帯なのにシャッターが降りたままの店と「貸店舗」の貼紙もあちこちにあって、ここが沖縄の雰囲気というなら、さながら那覇の開南から壺屋に続く『サンライズなは』商店街でしょうか。開いている店も大半はごく普通の商店で、沖縄の香りを強く感じたのはサータアンダーギーを店頭に並べていた1軒と、ショウケースに三枚肉(三枚肉ですから当然、皮付き)が並んでいた肉屋くらいです。どこか閑散とした風がアーケード街を吹き抜けてゆき、期待の沖縄そば幟はアーケード街のどこにも見当たらず・・・。

 アーケード途中を横切る道を曲がると、年配の買い物客で賑わうスーパーがあったので、もしやと思い店内を探索したのですが、品揃えはごく普通で沖縄そばなどウチナー食材は全く扱っていません。ううむ、ここも外れ・・と店を出て、公園のある角まで進むとようやく沖縄そば幟を発見しました。暖簾には『沖縄そば ピコ』と書いてあり沖縄そばを中心に据えたお店のようなので、迷わず引き戸を開けました。

大阪市大正区・ピコ・壁のメニュー表 お店はカウンター5席に4人掛けテーブル3卓、壁には大きなメニュー表が貼られています。あるある(^^)、『中味そば』や『てびちそば』まで揃った、まさに沖縄そば屋の王道メニューが勢ぞろい。ここに至ってようやく“沖縄県大正区”(大正区は“おきなにわん”という呼び方をしているようです)の底力を見た思いがしました。注文は、『ソーキそば』です。

 数分後に登場した『ソーキそば』を見て驚いた!のは、麺が平麺だったこと。もしやオーナーは本島北部の名護あたりのご出身なのでしょう、カウンター上の壁を見上げるとそこには名護市宮里地区のかなり昔の写真が飾られていました。大阪で名護の平麺にお目にかかれるとはうれしい予想外。その麺は生地はしっかりコシがあって食感が良く、全体的にレベルが高い名護のそば屋群の麺に比肩する本格派で、実に素晴らしいものでした。大阪の地でこれなら麺は満点です。

大阪市大正区・ピコ・カウンター席 トッピングのソーキも骨付きの本格派が2個。若干肉質は固めで骨から離れにくいようです。もう少し時間をかけて煮込まれていれば骨離れは改善されると思いますが、味はよくダシに馴染んでいます。ダシは希釈して使う標準的な濃縮タイプだと思いますが、昨今の濃縮ダシはほどほどの味に仕上がり大きな欠点もなく、標準的なレベルの★3つ。

 全体として、このお値段でこのレベルのソーキそばが食べられるなら、沖縄であっても満足度は高いくらいで、総合は★4つですが気持ちは★4つ半。紅ショウガのトッピングが最初から載っているのは好みが分かれるところですが、ダシにショウガ味が混じるのは私は好きではないので、最初にすべて骨を出す小皿上に取り除きました。

 ソーキそばを出し終えた店員さんは、店内のTVの前に陣取りました。ちょうど春の高校野球が放映中でしたが、食い入るように見ているよう様子。見れば、タイミングよく沖縄尚学高校が敦賀気比高校との試合中。後から来た馴染みの男性客との会話では、どうやら商店街界隈の皆さん、朝7時にバスを仕立てて甲子園へ応援に向かったらしく、もしや『サンクス平尾』のお店がシャッターを降ろしていたのは、応援休業だったのか・・・?真相は不明ですが。

大阪市大正区・ピコ・店内 支払時、麺について名護のものかと尋ねてみると、「そういえば名護の麺に似てるかな、“伊丹の方から”持ってきてもらってるんだけど。」とのことで、那覇→大阪伊丹便で空輸という意味なのか、あるいは伊丹にまさかの沖縄そばも作る製麺所があるのかはわかりませんでした。ちなみにネット地図情報で伊丹市の製麺所を調べると、所在地住所では建物が特定できない事業者が1つだけありましたが、Googleのストリートビューで歩き回る限り、あたりは住宅街で何かちょっと違うぞ?という感じです。やはり沖縄発伊丹空港経由なのでしょうか。

 関連情報ですが、『サンクス平尾』など大正区へ梅田からアクセスできる大阪市営バス55番は、1時間に2~3便程度。料金は全区間均一大人200円で、Pitapa・ICOCAだけでなく、主要な交通系ICカードも2013年3月23日から使用可能になりました(祝!)。

所在地:大阪市大正区平尾4丁目7-7
電話:06-6554-4255
営業時間:平日11:30~14:00,17:00~20:00 土・日11:00~20:00 (ネット情報による)
定休日:月・火曜

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