豊見城市・とよみそば・カツオとよみそば

　■　とよみそば　■

　「カツオとよみそば（大）」
　７３０円

　価格の満足度：★★★★☆
　麺の満足度　：★★★★☆
　ダシの満足度：★★★★★
　総合　　　　：★★★★☆

　半年ぶりの沖縄そば探訪ツアーになりましたが、今年も日程に照準を合わせたように台風１号が発生し、沖縄方面に針路を取り始めて風雲急を告げ、台風本体は台湾方面に向かったものの、ずっとずっと晴天続きだった沖縄は、時折スコールのような驟雨に見舞われる天候になってしまいました。

　到着した５日はまだ晴れていたので、昼過ぎに空港からモノレールでホテルへ向かい、早めのチェックインで荷物を部屋に置いたあと、漫湖公園の遊歩道を歩いて目指したのは以前から気になっていた『漫天そば』。真玉橋（まだんばし）までは、陽射しを避けて公園の木陰を選んで歩いて２０分ほど。それでも汗が吹き出します。琉球石灰岩で復元された真玉橋を対岸に渡り、川沿いに少し歩くありました！いかにもそば屋然とした建物が。

　しかし、着いた店に掲げられている看板は『漫天そば』ではなく『とよみそば』。はて？？ともあれ、そば屋には間違いないので、屋号か経営者が代わったのでしょう。午後２時過ぎの『とよみそば』の引き戸を開くと、先客が三名おいしそうにそばを啜っていました。入り口正面には券売機。カウンター５席と４人がけテーブル２卓という小さなお店ですが、製麺機が厨房横のスペースに置かれていて、自家製麺のお店でした。

　メニューは、カツオベースか塩ベースのダシそれぞれに、「軟骨ソーキ＆三枚肉」トッピングの「とよみそば」と「軟骨ソーキ」「三枚肉」「フーチバー」そばがあり、さらに「ゆし豆腐そば」もありますが、半年ぶりの沖縄の最初の一杯は、屋号を冠した「とよみそば」×カツオダシの『カツオとよみそば』大サイズと決め、食券購入。券売機には「ジューシ１杯は無料で、不要なら断れる」旨が大書された貼り紙と、７月１日から全品３０円値上げの告知が貼られていました。ジューシーはどうしたものかと迷ったまま、厨房から食券を受け取りに出てきたスタッフには何も告げずに食券を渡したので、結局ジューシーの無料サービスはそのまま。もし不要と断っても、値引きはないようです。

　それにしても蒸し暑い！冷房は入っていても風がないと汗が飛ばない私としては、首降りする扇風機の風がせめてもの救い。当方はタオルハンカチで汗を拭き拭きしているのに、地元の皆さんは涼しい表情をして熱いそばを食べている、さすがです。ふと目に留まった貼り紙には、『漫天そば』をさらにステップアップさせ、『とよみそば』に改名したと書かれていました。なるほど、そういうことだったんですね。

　そばを待つ間、厨房にいたスタッフが製麺機に向かい、麺を厨房へ運んでいましたが、かなりの量があったところを見ると、繁盛しているようです。お昼時などはかなり混雑するのかもしれず、お店の前に置かれているベンチは、外で待つための席なのでしょう。


　いよいよ登場『カツオとよみそば（大）』。見るからにボリュームのある軟骨ソーキが目を引きます。大盛りの麺にダシが丼からこぼれそうなほど並々と注がれ、おいしそう！最初にダシを啜りたいところ丼が熱いので断念しましたが、よく効いたカツオの香りが食欲をおいしく刺激してくれました。

　自家製の麺は中太の角麺で、多少粉っぽい匂いはあるもののコシが強くいい食感で、モソモソした感じはありません。粘りも感じられます。★４つ。ダシはもちろんカツオがよく効き、カツオダシ独特の酸味も感じることがなく風味がきちんと残り、濃縮系の天然素材ダシとは一味違って飲み干したくなる味で、満点の★５つです。

　トッピングは、軟骨ソーキ大、中、小がそれぞれ１片と三枚肉１枚、丸カマボコ１枚に刻みネギ。軟骨ソーキは少し生臭さを感じる部分もあったのですが、軟骨までトロトロに調理されて味わい深く、カツオベースのダシとケンカすることなく馴染んでいます。本土ではめったに口にする機会がない軟骨ソーキ、これを食べたいがため、沖縄へ足を運ぶと言っても過言ではない私としては、半年ぶりの一杯目にふさわしく上質な軟骨ソーキに遭遇できて、とってもうれしい一杯になりました。

　３０円値上げして７３０円というお値段は、大サイズ沖縄そばの価格水準として平均的なのかわからないものの、お値段相応以上の味わいがあります。ジューシーつき大サイズのボリュームでお腹一杯になり、幸せな気持ちでお店を後にし、再び漫湖公園の遊歩道を那覇市街の方に戻りました。

所在地：豊見城市真玉橋５５２
定休日：日曜
営業時間：11:00～17:00
電話：098-850-7868