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2015年1月30日金曜日

名護市・二見そば・二見そば

二見そば(名護市)・二見そば ■ 二見そば ■

 「二見そば」
 720円

 価格の満足度 ★★★★☆
 麺の満足度  ★★★☆☆
 ダシの満足度 ★★★☆☆
 総合     ★★★☆☆

 名護市大北の『丸隆そば』を後にして、58号線の元・丸隆そばがあった世冨慶交差点を左折すると、名護市辺野古へ向けて沖縄本島を横断した後、東海岸の幹線道路として南部をグルリと経由して那覇市の旭橋まで続く国道329号線の始まりです。辺野古は、言うまでもなく普天間基地の移転先候補地になっている、かの辺野古。

 移転候補地の米軍キャンプ・シュワプのすぐ北側には、リゾートホテルのカヌチャベイ・ホテルがあります。数年前にこのカヌチャベイ・ホテルを訪問した折、すでに辺野古は移設候補地になっていたので、ホテル従業員の方に、毎日ホテルの真上を米軍機が轟音立てて飛ぶかもしれないことをどう感じているか、それとなく尋ねたことがあるのですが、「静かな方がいいんですけどね」と、あまり多くを語らなかったのが、強く印象に残っています。

二見そば(名護市)・お店の外観 キャンプ・シュワプのゲート前には連日の座り込みが行われ、海上でも調査や工事を阻止すべく出動する漁船と海上保安庁の艦船が対峙しているので、名護を訪れたからにはこの目で現場を確かめたい・・・との思いで国道329号線へ入り、その後、北中城村か沖縄市あたりのそば家を目指すつもりで山を越えて下りにさしかかると、「二見そば」と書かれた案内標識が目に入りました。『こんな人里離れた場所にそば家?』・・・そういえば、この329号線をもう少し先へ行くと、何もない交差点の角の一軒家『やかそば』があったっけ・・・。興味が湧いて『二見そば』に立ち寄ることにして、「**メートル先」の案内標識で見当をつけていると、道路の左にポツンと立つ民家風の家が見え、そば幟が冷たい風にはためいていました。

 駐車場に車を入れて、改めて見回せば民家というより民芸居酒屋風ですが、看板には沖縄そば・ソーキそば専門店と書かれていて、なかなか本格的。しかし、国道とはいえたまにしか車が通らない山間ゆえ静まり返ったお店に、先客らしい車もなく、折から冷たい時雨が降り始めては、ほんとに営業しているの?と、少々心細さを感じます。

二見そば(名護市)・店内 正面の玄関を目指すと、右側の木の引き戸がお店の入口だと案内が出ていました。中に入ると、リビングと床の間がある部屋には座卓が置かれ、一段低い木床の部屋にはテーブル。普通の家をお店にしたような造りです。どこかの家に上がったような雰囲気にBGMの沖縄民謡で温かい落ち着きを感じ、ようやくホッとしました。それにしても、車の通りが少ない北部の山越え国道沿いの立地でお店の経営は大丈夫かな~・・と、いらぬ心配をしてしまうのですが、外の懸垂幕には「リピート率No.1 全部乗せ」と大書されているので、観光シーズンには賑わっているのかもしれません。

二見そば(名護市)・メニュー お店のお薦めはもちろん、屋号を冠した『二見そば』。三枚肉、本ソーキ、ゆし豆腐、昆布がトッピングされ、別皿で軟骨ソーキも付くという、まさに全部乗せ。『丸隆そば』訪問からまだ二時間半だったので、小サイズにしようかと迷ったものの、お腹にはまだ余力がありそうなので、看板の品を普通サイズで注文しました。お店はオーナー夫妻らしいお二人だけで回しているようで、『お茶・お水はセルフサービスでお願いします』と貼紙されていましたが、お茶を運んで来てくれました。沖縄らしからぬ肌寒さを感じる小雨混じりの曇り空に、たった一人だけの客だったので、気遣ってくれたのでしょう。

 さて『二見そば』。北部・名護でポピュラーな平麺ではなく角麺だったのは予想外でしたが、食してみるとごく普通の麺という感じ。私の好みとしてはもう少しゆで方を短めにという気はしますが、ポピュラーなゆで麺タイプですから、これくらいは普通なのかも。今回は那覇で生麺タイプを2軒回ったので、普通のゆで麺が柔らかめに感じるのかもしれません。麺は普通の★3つでしょうか。

 お店の看板によれば「麺は地元が愛する名護そば使用!!」だそうで、帰宅してから調べるてみると、名護市の三角屋製麺所が製造している麺に「名護そば」の商標が使われていました。普通の角麺と平麺両方を発売しているようで、学校給食にも使われているのだとか(沖縄生麺協同組合のサイトによる)。

二見そば(名護市)・座敷風の部屋 続いて豪華トッピング。本ソーキは骨離れがよく、スープと味もバランスよくまとめられて、とてもいいものでした。三枚肉は普通のじょーとー品クラスで、メーカー品?と思うような無難な仕上がりと形状です。別皿の軟骨ソーキは味付けが濃く、どことなく既製品の味が記憶から蘇りました。ちょっと味が濃すぎなので、別皿扱いにしているのはダシの味を損ねないよう配慮した結果かもしれません。もしやメーカー品?という気がしました。これだけ肉系トッピングが豊富だと、ゆし豆腐は量こそ多いものの存在感が何となく薄いかな・・という気がします。昆布はダシを補強してくれる存在として、沖縄そばとの相性はとてもいい気がします。

二見そば(名護市)・駐車場入れは玄関近くの柱に注意 ダシは平均的な感じ。コテコテした感じはなく上品さが感じられますが、これといった特徴がないかわり欠点もなくて無難にまとまって、もしや業務用濃縮系・・・と思うほど。自家製としても、もう少し個性が欲しい気がします。平均的なところで★3つ。全体として、そば専門店としてあえてこの地で勝負する一品なら、二ひねり半くらいした個性を出すか、とことん洗練された上品さを追求するか、という印象でした。普通のじょーとーになっている気がして総合も★3つです。

 食後、東海岸沿いをしばらく走ると、かの辺野古の基地前。座り込みの人々は100人ほど。演説の声が響くゲート前ではその人々と向き合うように、金網フェンスの内側で人垣のバリケードを作っている、白い防寒服を着た警備員の姿があり、国道はその間を通っています。冷たい風の中、海上にはボーリング調査の機材らしい高い鉄柱のような物体が見え、小型の舟が多数浮かぶすぐ近くには、海上保安庁の巡視船が何隻か停泊していました。

 参考までに。普天間基地県内移設反対を“沖縄県民の総意”と捉えてよいか、以下のデータで判断できるでしょうか・・・。
1) 2014年12月衆議院で、基地県内移設反対を訴えて当選した沖縄1~4区の候補者の得票数計 304,053票は、同年12月1日時点での沖縄県の選挙人名簿登録者数1,113,178名の27.3%。(沖縄県選挙管理委員会が2015年1月現在公表している資料 http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/senkan_i/event/syugi26/syugi26.html による)。
2) 知事選で県内移設反対を掲げて当選した現知事と、県内移設反対的な立場で落選した候補者の得票数を合計すると、360,820+7,821=368,641票。これは、同年11月26日時点での選挙人名簿登録者数1,108,269名の33.2%(同じく沖縄県選挙管理委員会資料 http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/senkan_i/event/tijisen/h26tijisen.html による)。

 自分たちで策定した政策は無謬と確信して、決定したことは粛々と進める“上から東京目線”の霞ヶ関パラダイムへの抗議という意味での意思表示かもしれないなと思いつつ、申し訳ないような気持ちで、対峙する座り込みの人々と警備隊の間を通って、国道を南下しました。

所在地:名護市二見241-31
電話:0980-55-8315
営業時間:平日 11:00~17:00、土・日・祝 11:00~18:00
定休日:木曜

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