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2016年1月13日水曜日

名護市・新山そば・新山ソーキそば

しんざんそば しんざんソーキそば ■ 新山そば ■

 「新山ソーキそば」
 700円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★☆☆
 ダシの満足度:★★★★★
 総合    :★★★★★

 名護市はそばの名店が多い土地柄ですが、昨今オープンしたお店ではなく、人知れずひっそりと地元の人々に愛され続けているお店が多いのが特徴かもしれません。この『新山そば』もそんなお店のひとつで、大正14年頃に開業したとの情報が掲載されているサイトもありますが、実際は何時頃なのでしょう。とにかく歴史のあるお店なのだそうです。

しんざんそば おみせの がいかん 地図上でひんぷんガジュマルの近くにあるお店の場所は確認していたものの、実際にはレンタカーのカーナビのお世話にならないと、たどり着けませんでした。それにしても実に隠れた場所にあるお店です。表通りには何の情報もなく、路地のような道にひっそりと看板を出しているだけです。

 お店の横に広めの駐車場があり、私はどうやら裏口側から入ったようですが、木造平屋の建物の開き戸を押して中へ入ると、6人ほどの席があるテーブル3卓と、小上りに座卓4卓ほど。お昼を少し過ぎた時間帯でしたが、平日ということもあり、先客は男性3人のグループだけでした。

しんざんそば おみせの なか 券売機がフロアに置かれ、壁には色紙がズラリと並んでいるだけで、どこかガランとした空間が目立つ感じがします。ともあれ、屋号を冠した『新山ソーキそば』の券を購入し、お釣り返却レバーを押すと、チャラチャラリン!!と、いやに大きな音が静かな店内に響いてドキッとするほどでしたが、逆にその音に気づいた厨房の女性から、「いらっしゃいませ」と声がかかり、厨房の小窓から顔を見せてくれました。

 食券を渡して着席し、店内を見回すとまだ新しい色紙が一枚あったので見れば、そこには琉球王朝王家だった家と同姓のお名前。関係者なのでしょうか。年季が入った色紙の中には昭和の代のものまでありました。と、眺めているうちにも、『新山ソーキそば』が運ばれてきました。大きめでコロッとした感じの本ソーキ3個にカマボコ、結び昆布が載っています。

しんざんそば かべに はられた しきし まずはダシを一口。

 「・・っ!!」

 うまい!何という旨さ!!薄味系なのですが、しっかりカツオ系のダシがきき、光沢ある輝きを舌で味わうかのような奥行きのある味は、この何年かに味わった中では、間違いなく一番おいしいそばダシです。もはやこれだけで立派な料理と呼んでいいかもしれません。東京のダシ屋が京橋だったかのビル一階で、ダシを飲ませている光景を、ふと思い出しました。それほどの力量があるのが新山そばのダシ。

しんざんそば メニュー 麺は名護の平麺で、残念ながら少し柔らかめ。でもダシの完成度が、十分にカバーしてくれました。本ソーキの味付けも、決してダシの味を損なわないよう薄めながらしっかり味を浸透させてあり、肉質はほどよく柔らかめで、とてもいい味わいです。全体としてはもう、麺の柔らかさなど全く気にならないほど、幸せな味に満足してダシはすべて飲み干しました。

所在地:名護市大東1丁目9-2
定休日:無休
営業時間:10:00~18:00
電話:0980-53-3354

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