■ かめ食堂 ■
「沖縄そば(小)」
400円
価格の満足度:★★★★☆
麺の満足度 :★★★☆☆
ダシの満足度:★★★☆☆
総合 :★★★★☆
これまでにもお店の前を通っているはずなのに気づかなかった地味なお店で、古い民家と間違えてしまいそうな雰囲気は、沖縄大衆食堂の王道をゆくたたずまいです。軒先には看板がなく、入口横の立看板と壁に貼られた小さめの「かめ食堂」の文字がある看板だけです。ドアに貼られたガムテープには黒マジックの小さな文字で「かめしょくどう」と書いてあり、その下にメニューが貼り出されています。
実は、年明けに久米大通り沿いに見つけた別の小さな食堂へ行こうとして、記憶違いで西消防署通りを進んでしまい、途中で間違いに気づいて路地を歩いていたところ、壁に貼られた「かめ食堂」と朱色で書かれた看板が目に入ったので立ち寄った次第。
店内に入ると、土間のような部屋には、昔ながらの喫茶店やスナックにありそうな低い背もたれがついた丸い回転スタンド椅子(スツール)3脚があるカウンターと、4人がけのテーブル2卓だけ。カウンターの向こうは家庭のキッチンほどの厨房で、土間から上がった畳の部屋にもテーブルがあったのですが、そちらには座椅子が置かれて男性が一人ゴロ寝していて、何だかこのお店の住人の生活スペースのようです。
テーブル席には作業服姿の先客2人がいるだけで、もう1卓は空いていたのでそちらに。最初はカウンター席に座ろうかと思ったのですが、カウンターの上は冷水器にポット、食器や材料らしきものが入った容器、さらには畳んだ新聞などが積まれていたので、椅子席はあれどカウンター席は使用できそうもない・・・という雰囲気で、ためらってテーブル席に移動したのでした。
厨房は、おかあさんが一人でやっています。注文してみていると先客お二人のチャンプルーをやっているところで、まずそば食べ歩き中と事情を話して店内撮影のお許しをいただくと、こんな店撮るの?というような苦笑を浮かべながら、いいですよとのお返事。
チャンプルーの調理が完了しておかあさんが大皿にフライパンから料理を移すと、先客のお一人が席を立ってカウンターにお皿を取りに行きます。なるほど、セルフサービスが原則のお店なのだと理解したら、その男性、湯のみとお茶のポットを手にして、私に「(厨房のおかあさんが)忙しいから」と持って来てくれます。大いに恐縮してありがたくお礼のうえで、お茶を湯飲みにたっぷり注ぎます。何だか気持ちまでほんわかと暖かくなってきました(^^)
注いだあと、ポットを持って隣のテーブルに「お茶、いいですか?」と、リクエストがあれば湯のみに注いで差し上げようかと思ったところ、「まだ、いいよ(^^)」とのことなのでポットをカウンターの定位置に戻します。
厨房ではいよいよそばの調理。お店が小さく舞台裏の厨房がよく見えるので、待ち時間には調理の一部始終を観察してみました。
おかあさん、ダシの鍋と麺を湯通しする鍋のコンロ2口に点火すると、カゴに大盛りにされている麺を厨房の脇の物置き場から取り出して、ビニール越しに麺をつかんで分量を量りながら、まかい(そば食用の丼)にセット。丸カマボコを斜め切りにしたあと葉ネギを少し刻んで専用容器に追加しながら、麺を湯の鍋にディップしたままの水切りカゴに投入。
さらに、カウンターの天板下の厨房側にあるらしい棚に置かれた容器から、なにやらオタマ2杯の液体をすくってダシの鍋に入れています。ん?秘伝のタレ?ダシ?調味液?ともあれ、他の一般食堂系のお店でよくあるように、化学調味料の白い粉末を容器からスプーンにすくってダシに入れる動作はなかったようです。
その調理中、おかあさんと同年代くらいの女性が一人黙ってお店に入ってくると、テーブル席の私を一瞥してからこちらに座りたそうな感じも漂わせつつカウンター席の隅に陣取り荷物を置いてから、また黙ってガラス貼りの冷蔵ショウケースからパック飲料を1個取り出して飲み始め、一向に注文する様子もなく預金通帳を取り出して眺めています。なんだろうと思っているうちに「そば」が仕上がると、何と彼女はそのそばを私のテーブルに運んでくれたのです。
常連のお客さんがお手伝いしてくれる、何だかとっても不思議なお店が「かめ食堂」。いいですね~ほんとに。
登場した「沖縄そば」の麺は標準的な平角麺です。トッピングは三枚肉2片と先ほどスライスしたカマボコ2枚に、刻み葉ネギ。紅ショウガは卓上容器に置かれていなかったので、おかあさんが冷蔵庫から容器を取り出したところで丁重にトッピングをご辞退申し上げると、「あ、これいらないのね」とニコッ。
ダシは、カツオ+豚のあっさり系、薄口醤油を使っているのか醤油の色はかなり薄めです。わりとキレは良くてスッキリした感じですが少々残る感じはありました。さっきオタマですくった液体が何だったのか興味は尽きませんね~??トッピングの三枚肉は柔らかく、ほどよい味に仕上がっていますが、カットのサイズからすると既製品かもしれません。
そうこうするうち、調理と片付けが済んだおかあさん、カウンターの女性と話をしにカウンター席に出てきて座ると、今度は私に「北部のそば屋さんには行きました?」と、親しげに話しかけてきます。そこでそば屋巡りの話を始めると、お茶を運んでくれた男性も驚いたように話に加わって「そば談義」。居酒屋で初対面の人とカチャーシーを踊るに至るような親しいおつきあいが、お昼の食堂でアルコールなしでもできるなんて、ほんとにうれしくて、総合は★1つおまけの4つ!
所在地:那覇市辻2丁目
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2008年2月1日金曜日
那覇市・かめ食堂・沖縄そば
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