■ アサヒ食堂(再訪) ■
「そば」
250円
価格の満足度 ★★★★★
麺の満足度 ★★★★★
ダシの満足度 ★★★★★
総合 ★★★★★
食べながら、気品のあるおいしさへの感激と那覇を離れるにあたっての気持が入りまじり、涙にむせびそうでした。
那覇を(とりあえず)離れる最終日、午後の福岡行きの便まで時間があったので、きょうもそばを食べに行きたいと思い立って職場を昼前に辞した後、快晴の青空の下を歩き始めると、足はいつしか懐かしいアサヒ食堂に向いていたのでした。
定休日がわからないお店ゆえ、雨戸のような木戸が閉まっていたら別のお店にいくしかない・・・やや不安を抱きながら、いささか怪しげな雰囲気が漂う夜の街「辻」の路地を歩いてゆくと、よかった~、木戸は開いているようです!(^^)。
アサヒ食堂は、その強烈な個性を放ちつつも実に控えめでひっそりと静かに、そこにありました。相変わらず暗い店内は営業しているのかしていないのかわからないほどなのですが、ドアのスモークガラスの内側に「営業中」の札が下がっていたので、入りました。
前に来た時と同じように、割烹着に白い帽子のおじいが一人照明もつけずに座敷の上がり框に座って、新聞を読んでいましたが、私の姿を認めると手を休めて厨房に入りました。
「そば、お願いします。」と注文すると、ニコニコしながらゆっくりと鍋の準備を始め、冷蔵庫から材料を取り出して、ピカピカに磨きあげられたステンレスが美しい厨房で調理が始まります。
なんと几帳面な方なのだろうと感心しながら、那覇を離れる日ということもあって寡黙そうなおじいに、何年ここでお店をやっているのかと話しかけてみました。
「30年は過ぎたかね~、この辺じゃ最初に始めたから。」
「一年がかりで那覇市内のそばを食べ歩いてみたんですが、こちらが一番安いですね。」
「ああ、そうでしょう(^^)」
どうやらお値段には自信ありのようです。そして最盛期には、いまは薄暗く使っていない座敷も満席になるほどの盛況だったこと、近くに大きなそば屋(「あきそば」のことでしょう)ができて客が減りそちらは最近値段も高くしているが、うちはそのままやっている・・・と語り続けてくれました。
250円のそば。何という幸福な一杯でしょうか。ダシはいつもながら上品なバランスのいい味がします。モチッとした感じのある平角麺もコシがしっかりしていていいですね。
トッピングの三枚肉は諸物価高騰の折りにも、絶対に妥協しないという気迫さえ感じる大きさで2枚。そして小松菜が添えられているのが彩りとしても美しいですし、そばには本当によく合うのです。
また那覇に帰ってくるまで、元気でお店を続けていて欲しいなと思いながら、「本当に250円でいいんですか、頑張ってくださいね。ごちそうさまでした。」と声をかけ、奇跡のアサヒ食堂を後にしたのでした。
もちろん評価は満点の★5つ。何もいうこと、ありません。
所在地:那覇市辻1丁目
Translate
2008年4月1日火曜日
那覇市・アサヒ食堂(再訪)・そば
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿