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2011年8月20日土曜日

中頭郡北中城村・さーふーふー・護佐丸そば

さーふーふー・護佐丸そば■ さーふーふー ■

 「護佐丸そば」
  800円

 価格の満足度 ★★☆☆☆
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★★★
 総合     ★★★★☆

 沖縄暮らし当時から足を運ぼうと思いつつ、なかなか行くことができませんでしたが、ようやく訪問のチャンスができました。Google Mapでリサーチをかけると、観光スポットとして本島中部では外せない北中城の『中村家住宅』からは歩いても数分の距離だったので、レンタカー標準装備のカーナビと『中村家住宅』の道路標識を頼りに、うるま方面から道をたどって難なく目的地に到着。

さーふーふー・外観 お店は県道148号線から数十メートルほど住宅街に入った“すーじぐゎー”にありますが、県道の曲がり角には小さいながらも案内標識が出ていたので、すぐにそれとわかりました。外観はそば家というにはいささか地味で、お店の敷地の中に数台駐車できるスペースがありました。土曜日のお昼時でしたがお客さんは少なく、一組のご家族のご子息が賑やかだったことを除けば、JAZZかクラシックが流れていてもおかしくない落ち着いた雰囲気のお店てす。

さーふーふー・店内 広々と感じるのは天井が高いのと大きくて開放的な窓のせいでしょうか。よく見ると、柱に“鳴きヤモリ”らしき形の装飾が施されていて沖縄だなぁ・・と、久しく耳にしていない「キャーッ、キャッ、キャッキャ・・」という懐かしい声が記憶からよみがえります。賑やかなご子息を避けて奥のテーブルへ行こうとすると、オーナーから「そちらは冷房が弱いので、こちらへどうぞ」と引き戻されてしまいました。

 陣取ったテーブルの窓際に置かれたメニューを手にとると「限定」の文字。その文字に惹かれて、沖縄そばとしてはかなり高めの800円ながらも『護佐丸そば』を注文しました。トッピングが本ソーキ+軟骨ソーキ+三枚肉という“全部入り”の布陣なので、仕方がないのかな~・・。 さーふーふー・テーブル上のメニュー そばの名前になっている『護佐丸』とは、決して船の名前ではありません!沖縄本島に三つの王朝(三山=北山・中山・南山)が鼎立していた時代の中山(ちゅうざん)の人で、統一を果たした『第一尚氏』以降の首里王朝に仕えていたのですが、謀反の嫌疑をかけられて結局は自害した・・という琉球の歴史上の人物です。また、沖縄本島の地域割で「北部・中部・南部」と呼ばれている地域は、おそらくこの三山の版図の区割りをもとにした地域の名称なのだろうと想像しています。

中城高原ホテル予定の廃墟 閑話休題。そばの名前の護佐丸が『さーふーふー』のすぐ近くにある中城城にしばらく居住していたことで、そばに名前が冠されたのでしょう。ちなみにその中城城跡を訪れると、海洋博の頃“中城高原ホテル”として開業するはすが、倒産で工事が中断してそのまま放置された壮大な廃墟が、まだ残されています。なお、護佐丸の“謀反”を今風にいえば“内部通報”したのが阿摩和利(あまわり)という人物ですが、どちらが奸臣でどちらが忠臣だったのかという歴史的な評価は、沖縄では今でも真っ二つに割れています。

 首里王朝正史の「おもろ」には護佐丸が忠臣として評価されているとのことで、どちらかといえば阿摩和利が悪役と見られることが多いのかも。しかし阿摩和利の地元(旧・勝連町だったような・・)から『肝高の阿摩和利』(志の高い阿摩和利)と称される英雄としての評価が広まり、近年は演劇として本土でも上演されるようになって、今年に入って沖縄の小学生劇団が福岡で有料公演をした際にも好評だったとか。

 というわけで『護佐丸そば』。ダシはカツオの香り高く、実に完成度が高いバランスのいい薄味で上品な味と香りです。しかもトッピングはすべて燻しが少し効いた感じで、実によくダシに馴染みます。味付けが濃すぎず甘すぎず辛すぎず・・名脇役に徹した感じで、麺を引き立ててくれます。

さーふーふー・柱の鳴きヤモリ装飾 本ソーキの形は通常の本ソーキとは違いかなり薄めなのですが、護佐丸の剣のように器から突き出していて、特徴的です。麺の量は少なめですが、コシが強くツルツルして弾力もあるいい食感の平角麺で、新しい沖縄そばのお店に多いタイプ。昨今の沖縄そばの人気店の麺は、こういうタイプが主流になってきているような気がします。

 麺もダシも素晴らしいので満点レベルですが、お値段に対して麺の量がいささか少なすぎるようで、コストパフォーマンスがもう少しよければ・・という意味で総合は★4つ。

 ちなみに「さーふーふー」の意味をオーナーに尋ねると、沖縄の言葉で「ほろよいの状態」だそうで、夜は居酒屋として営業しています、とのことでした。

所在地:中頭郡北中城村字大城
電話:098-935-5376
営業時間:11:30~19:30(そば家としての営業、以降は居酒屋タイムで営業)
定休日:火曜日(火曜が祝日の場合は営業して、水曜休み)

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