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2015年7月9日木曜日

中頭郡中城村・ちゅるげーそば・軟骨ソーキそば(中)

ちゅるげーそば・軟骨ソーキそば(中) ■ ちゅるげーそば ■
 「軟骨ソーキそば(中)」
 680円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★★★★
 ダシの満足度:★★★★★
 総合    :★★★★★

 午後から台風9号が西海上に接近してくるという日の朝、那覇市内はまだ晴天ながら、さすがに風は強め。レンタカーは予定通り借りることにしたものの、風の状況次第では早めに帰還することにして、まずは中部方面を目指しました。恩納村に立ち寄ったあと山越えして東海岸の国道329号へ。目的地を中城村の『ちゅるげーそば』にセットしたカーナビは、順調に案内を続けてくれます。

ちゅるげーそば・道路側の看板 しかし昼前になると天候は風雲急を告げ、平均十数m/秒の強い横風が吹き始めて、曇り空から時折雨が降ってきます。いつもは混雑する、うるまからコザの十字路までの区間も台風接近のせいか、車は普段よりも少ない感じで、信号待ちや右折待ちの渋滞にはあまり引っかからずにコザ十字路を通過。そして、カーナビが表示する予想到着時刻よりかなり早めに中城に入り、国道から海寄りの里道に入ってゆっくり進むと、「間もなく目的地付近です」のカーナビ音声。

 そこにあったのは、ごく普通の民家のような赤瓦屋根の木造平屋の建物。駐車場か空き地かわからないスペースが、建物の北側にあったのでそこに停めて、すぐ近くのガラス引き戸から店内に入ろうとするとガラス戸が開きません。中の様子をガラス越しを窺うと、照明がついているので営業はしているはず。どうやら玄関は反対側の南にあるようなのでそちらに回ると、ちゃんと「ひんぷん」が立っていました。

ちゅるげーそば・ひんぷんと外観 築80年の古民家と立て看板に書いてあるとおり、仏壇が北にある畳敷きの部屋と隣接する畳敷きの二間続きにその南側は廊下という、沖縄の典型的な民家の構造でとてもいい雰囲気です。きっと普段のお昼時は賑わっているのでしょうが、台風接近で強風が吹き荒れていることもあり、ちょうど12時頃のお昼時ながら先客の姿は全くありませんでした。

 時折、強い風がガタガタとガラス戸が音を立てる中、きっときょうは開店休業状態だろうなぁ・・と、風の音だけが響いてお客さんの気配が全くない広いスペースの無人の座卓群を横目に見つつ、先刻、裏口から開けようとして開かなかったガラス戸に一番近い、長椅子向かい合わせで6人ほどが着席できそうなテーブル席を独り占め。

 この後の台風の行方と影響に思いを馳せて・・・そこに店員さんが注文を聞きにやってきました。注文は『軟骨ソーキそば』。なぜか、これといった理由もなく「中」サイズを注文(これが後で功を奏する結果に)。すると、手もみ縮れ麺と縮れ麺と・・・・(あと2つの記憶なし。ということは興味を惹かれなかった)の4種類から麺を選ぶとのことだったので、縮れ麺を選びました。「手もみ縮れ」は蒸していると説明があったので普通の縮れ麺を選んだのですが・・違いは未確認てす。

 さらに、ダシも「こってり」と「あっさり」があり、やはりどちらかを選ぶとのことなので「あっさり」をチョイス。昨今のそばやラーメンの「こってり」は、くどいほどコラーゲンでネトネトとか(唐突ながら、富山県で新鮮な魚を表現する「キトキト」というオノマトペの語感に私が感じるには、コラーゲンたっぷりのこの粘りつく感じ)、豚の背脂が全面覆っているとか、常軌を逸する尖り方をしていて『失敗!』と思う経験が多かったので、外した次第。

ちゅるげーそば・店内 待ち時間に撮影の許可をいただき、撮影かたがた廊下から改めて店内を見渡すと、リノベーションというような手入れはせず、最低限の補修をしただけで、そのまま古民家を利用している感じです。こういうのっていいなぁ~と思います。変にリノベーションを試みて、本来の風合いを台無しにしたお店も多いようですから。

 他のお客さんが誰もいないこともあってか、テーブルに戻るとすぐ『軟骨ソーキそば』が運ばれてきました。ランチタイムのサービスで『じゅーしー』も付いて来たので、『要らないんだけど・・』と思いつつも久しぶりのじゅーしーを謹んで頂くことにしましたが、もちろん最初はそばからなので 恒例のお作法としてまずダシをいただきます。

 『!』 いい味です。

 メーカー製のハイレベルな濃縮ダシを以ってしても一線を画する味の奥行き・拡がりと表現できる、塩分の濃さで決してごまかさない上品な薄味でありながら、味が薄いと感じさせないダシです。合わせ系でもカツオが勝っている感じかもしれません。全部飲み干したくなるダシは、満点です。

ちゅるげーそば・古民家を改装した店内 続いて麺。期待していたとおりの縮れ麺は、強いコシと粘りが感じられていいですね~(^^)v 生麺タイプではなくともここまで麺は強靭でおいしくなれるなら、事前に蒸してあろうが茹で置きしてあろうが関係ありません。むしろ事前の加熱によって生っぽさや粉臭さがなくなりクリアーに麺本来の香りが出るかもしれず、麺も満点の★5つです。

 トッピングの軟骨ソーキは、中サイズの麺ゆえに若干小さめという感じもありましたが、味付けはおとなしく穏やかで上品な薄味のダシを無視する主張もせず、しっかりダシと調和しているのがうれしいです。もちろん軟骨も柔らかく、おいしくいただけました。

 残された課題は、いかにも雑な印象の盛り付け。金糸卵は量自体が少ないこともあり、ほどけた状態でダシの中に拡散しており、三片の軟骨ソーキの並べ方や、ダシと麺の分量のバランスも、かなり改善の余地はありそうです。それと中サイズとしてももう少しボリウムが欲しいなあ・・と思いました。恐らく「中」と称する業界標準的な量があるのでしょうけれど。

 そういえば麺類は、残り少なく先が見えてきた寂しさと無念さにかけては、他の料理に比べて突出してるんじゃないかなぁ・・と思うのですが、その「ああ、もう終わり?」感の到来がちょっと早めだった気がする中サイズ。しかし、裏返せばそれだけ美味しかったからだろうなぁと思います。そんなわけで総合は満点の5つ★です。お値段は標準的な★3つでした。

所在地:中頭郡中城村当間678
定休日:無休
営業時間:11:00~18:00(ダシがなくなり次第終了)
電話:098-895-7887

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