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2017年12月15日金曜日

那覇市・ニシムイそば・ニシムイそば(大)

那覇に移転した ニシムイそばの ニシムイそば 大 ■ ニシムイそば ■
 「ニシムイそば(大)」
  800円

 価格の満足度 ★★★☆☆
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★★★
 総合     ★★★★★

 そば探訪ツアー最終日の午前中は、首里・西のアザナからの眺望を堪能したあと、宝口樋川を訪れるのを定番コースにしていますが、わが“聖地巡礼”を終えければお昼時、そろそろ那覇中心部へ戻るべく、モノレール伸延工事の進捗を確かめたあと、首里駅から古島駅まで、ジェットコースターのような感覚を楽しみ、おもろまち駅に向かっている途中の沿線風景を見ていると、古島駅の西側にあったはずの、老朽化した巨大な市営住宅は跡形もなく取り壊され、跡地らしきところにできた建物に『ニシムイそば』の看板を発見!

ニシムイそば お店が入ったビルの外観 『ニシムイそば』は、頭の中の“一度訪問しなくてはリスト”にしっかり刻み込まれているそば家ながらも、所在地は間違いなく八重瀬だったはず。那覇に支店を出したのなら訪問あるのみ!と決め、おもろまち駅で予定外の下車。国道330線を古島駅へ向かって歩きつつ、そういえば以前訪れた『さんさんそば』も国道沿いだったっけ・・・と、国道を挟んで向こう側のそれらしい場所を探すのですが、見当たりません。どうやら『さんさんそば』も、短命で消えてしまったようです。残念。

ニシムイそば 階段を上った2階にある、お店の入り口 駅間距離はそれほどないので、間もなく古島駅が視界に入り、国道左側の高くなった敷地に「アクロスプラザ」なる、ショッピングセンターと飲食店棟で構成された再開発施設に到着しました。しかしながらさすがは車社会沖縄、歩道側からは飲食棟に入ることができず、入り口を探して裏側の駐車場に回り込むとそちら側に2階の『ニシムイそば』に通じる階段がありました。

 階段を上がって入り口を開くと、元気な「いらっしゃいませ」の声。すぐ目の前には券売機が据えられているので、写真入りで券売機上に置かれたメニューを確認すると、そばはソーキ&シブイ(=冬瓜)トッピングの「ニシムイそば」と、三枚肉&ヒラヤーチーをトッピングした「古島そば」の二種類のみ。シブイはまだしも、ヒラヤーチーのトッピングは珍しく、メニューでは初めて目にしました。

ニシムイそば 券売機 しかし、ヒラヤーチー・トッピングを初体験・・・という気持ちは起きず、コナモンは大阪にお任せすることにして、「ニシムイそば」の「大」ボタンを押して食券を購入し、スタッフに渡してカラフルな丸テーブルに落ち着きました。券売機では、追加トッピングとして、ソーキ・シブイ・三枚肉は購入できるのですが、どういうわけかヒラヤーチーだけボタンがなく、追加できないようです。まあ、ボタンがあったとしても追加する人は多くないと思いますが・・・。

 お店の中は現代風のクールな印象に統一されています。お店の名刺には、ルーツが首里儀保町の「ニシムイ美術村」で、その後八重瀬町で美術工芸品と沖縄そばの取り合わせという変わった業態のお店を始めたと記載されていました。八重瀬のお店は2017年2月に閉店し、古島にそば家専業として移転オープンしたのは、2017年7月だそうですが、なるほど、店内にはいろいろな美術工芸品が飾られており、クールな内装にありがちな冷たさを和らげ、落ち着いた雰囲気を作り出しています。

ニシムイそば 店内の様子 さて熱々の「ニシムイそば」がやってきました。ダシは見事に白濁しているので、豚がベースになっているのは間違いないでしょう。そして鶏系のダシも効いているようです。魚介系から畜肉系へシフトしている現代人の味覚には会いそうなダシですし、もちろん、とても個性的でいい味は★5つ満点です。

 麺は縮れの強い平角麺で、生麺なのでしょうか、強い粘りとモチモチ感があって、これまた“スバらしい”麺。しっかり噛んで味わうことができ、食べているうちにコシがヘタッてくることもありません。麺も満点の★5つ。ソーキは2個、本ソーキよりは少し軟骨ソーキに寄った部位と言った方がいいかもしれません。それから「ニシムイそば」には、小盛りながらぜんざいが付きます。

ニシムイそば 厨房付近の様子 お値段800円は、大サイズながらもソーキ2個のそばとしてはやや高めになるでしょうか。それでも完成度の高いダシと麺の相性はとてもよく、総合も★5つ。大変満足して席を立つと、また元気な声で「ありがとうございました、またのご来店をお待ちいたしております!」と、深々とお辞儀をしてスタッフが見送ってくれました。

所在地:那覇市銘苅1丁目19-2 アクロスプラザ古島駅前B棟2階
定休日:無休
営業時間:平日11:00~21:00
電話:080-6498-2461

2017年12月14日木曜日

宜野湾市・伊波家・本ソーキそば

宜野湾市 いはやの 本ソーキそば  ■ 伊波家 ■
 「本ソーキそば」
  750円

 価格の満足度 ★★★★★
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★★☆
 総合     ★★★★★

 7月のそば家探訪ツアーは、台風で一日短縮の不完全燃焼で終わったこともあり、ようやくあまりこれまで訪れていない宜野湾方面に足を向けることにして、宜野湾の老舗(?)『伊波家』を訪れることにしました。地図を確認すると、国道330号線から北中城インターを経由するよりも、県道29号線を走った方がわかりやすそうな場所です。レンタカーにはカーナビが標準装備なので、どちらにしても問題はないのですが。

宜野湾市 いはや お店の外観 午前中に北部方面へ行ったあと、カーナビさんの言うとおり南下していると、「目的地付近に到着しました、案内を終了します」のアナウンスと同時に中城村界の道路標識が目に飛び込み、や、行き過ぎた!と慌てましたが、標識脇にある3階建ての建物前にそば幟が見えたので、標識を過ぎた先から建物横の空き地に曲がって入ると、そこが店舗の駐車場。正解でした。

 店内はかなり広く40~50人は入れそうですが、平日の午後2時近くでした何人か先客はいましたが、静かな午後という感じでした。インターチェンジ出入り口が近いので、お昼時にはかなり混雑するのかもしれません。壁に貼り出されている品書きを眺めると、そば以外にも「・・炒め」「・・煮付け」「・・汁」が並らび、沖縄の食堂の王道を行く風格が感じられます。もちろん狙いはそばですから、笑顔で注文を聞きに来たねーねースタッフに「本ソーキそば」の注文を伝えました。

宜野湾市 いはや 壁に貼り出されたメニュー 平日ランチタイムサービスとして、そば類の注文に限り、半ライス/いなり/じゅーしーのいずれか1品サービス、そう書かれて壁に貼り出されているで、ご飯類は必要ないと心の準備をしてたところ、注文のねーねー嬢、なぜかランチタイムサービスには全く触れず、おかしいなぁ~??と思えば、サービスは11時~14時のところ、お店の時計は14時を1~2分過ぎていたのでした。

 静かに時間が過ぎるお店の前を、車が時々走り抜けてゆくのが、入り口ドアの向こうに見えています。早い時期から寒さがやって来た今シーズンの冬、沖縄へ飛び立つ日もかなりの冷え込みだったのですが、こちら、寒い冬はどこ?という外の風景に、沖縄と本土の距離を実感してしまうのでした。

宜野湾市 いはや 店内のようす そして、この距離感覚こそ、占領下のままという沖縄の現実と、それを「ない」「それにはあたらない」ことにしたがる本土の距離なのだろう・・・数日前、米軍ヘリコプターのプラスチック製の部品が取り外し忘れで幼稚園に落下し、県が飛行停止を申し入れて抗議したにもかかわらず、ヘリはいつもと変わらず飛び続けている・・・ゆったりとした午後の時間の中で、ふと運転中に見たヘリを思い出して、そんなことを思ったのでした。

 「お待たせしました」

 「本ソーキそば」が運ばれてきました。ゴロッと大きな本ソーキが3個載って、麺もとてもおいしそうな感じがしたので、麺を最初に口に運びました。生麺ではないのですが、モチモチッとした食感があり噛み応えもしっかりして、少し縮れも入っているとてもいい平角麺です。麺はとても好きなタイプで★5つ満点ですね~。

 本ソーキは、もちろん骨離れは良く、穏やかな味付けはダシとよく調和していて、しかもこのお値段としてはボリュームもあり、満足度が高い本ソーキでした。ダシはバランス良い優等生という感じですが、可もなく不可もない・・という印象も拭いきれません。でも、これが食堂系そばの王道スタイルということになるのでしょう。ダシは★4つ。

宜野湾市 いはや お店の入り口付近 750円という価格設定は、本ソーキそばでこのボリュームならば全然高くないでしょうし、10年前の相場感でも本ソーキが650円前後だったことを思えば、大健闘価格と言っていいでしょう。総合的には「ぜひまた食べたい」レベルの★5つという印象でした。

 このあたりは、宜野湾市と北中城村の境界が県道29号線を何度も横切って複雑に入り組み、『伊波家』付近では宜野湾が北中城へ突き出して食い込んでいます。L字型の3階建てアパート1階の道路側部分にある『伊波家』の入り口には、宜野湾市の住居表示プレートが取り付けられていました。

所在地:宜野湾市野嵩1丁目50-6
定休日:木曜
営業時間:平日11:00~20:00
電話:098-892-0185

2017年12月13日水曜日

中頭郡読谷村・根夢読谷店・ミックスそば(中)

なかがみ郡よみたん村 ごん よみたん店のミックスそば(大)  ■ 根夢読谷店 ■
 「ミックスそば(中)」
  680円

 価格の満足度 ★★★★★
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★★☆
 総合     ★★★★★

 那覇から国道58号線を北部に向かった回数は数知れずなのですが、実は、『木灰そば』と大きく手書きされた看板がいつも気になりつつ、午前中に通りかかる頃は開店前、帰りは満腹でスルーし続けていたお店が読谷村にありました。次回こそは次回こそはと思いながら気がつけば、その店があったと記憶していたあたりには、沖縄市安慶田が本店の『根夢』の看板が立っていました。

ごん よみたん店 国道58号線沿いの看板 読谷で木灰そばが有名なのは『清流舎』ですが、それとは全く違う、国道58号線沿いにあった読谷村の木灰そば。気になって仕方がないので、沖縄から帰宅後にネット検索をかけても、今となってはもう、手がかりを探し出せませんでした。木灰そばを一杯食べ損ねて、気になるそば家の未訪後悔を繰り返さないためにも、看板は違えどやはり訪問しておかねば・・・。
ごん よみたん店 お店の外観
 そんなわけで、残波岬に寄り道して時間調整ののちに、『根夢読谷店』に立ち寄ってみることにしました。ただ、記憶では『木灰そば』が木造の建物を薄緑色に塗装した小さな店のはずが、ずいぶん大きく感じられたので、改装して看板が変わったのではなく、単に場所の記憶違いだったのかもしれません。

 寄り道のつもりの残波岬で結構時間を費やしたうえに、あちこち寄り道もしたので、鮮やかなオレンジ色の看板がかかるお店に到着したのは既に午後1時近くになりました。お店に入ってみると、中は見た目よりもずいぶん広く感じられました。ふと壁を見ると、大相撲沖縄巡業のポスターに、横綱:白鵬の大きな写真つきのカレンダー。島根巡業中に横綱が幕内力士を殴ったのが瓶なのかリモコンなのか、周囲の同郷力士たちのうち、カレンダーの横綱がどう関係したのかなど、事件について連日報道される中での巡業はきっと話題にはなることでしょうが、ともあれオーナーが相撲好きなのでしょう。

ごん よみたん店 メニュー メニューは、「ソーキ」「ナンコツ」「三枚肉」「ミックス」トッピング肉なしの「かけそば」それぞれに、大・中・小の三種があるのは沖縄市の本店と同じ構成です。ここでは「おすすめ!」と大書してある『ミックスそば』の中サイズにしました。ちなみに『ミックスそば』には、本ソーキ、軟骨ソーキ、三枚肉が載っています。

 平日なので、観光客はもっと北の恩納村や名護・本部方面に集中している時間帯のせいか、お店に先客の人影はなく、注文すると2分ほどで『ミックスそば』が運ばれてきました。例によってダシを一口啜ろうとすると、追いカツオのような香りが鼻腔をくすぐってくれます。なんかほんとに久しぶりの「カツオ~ッ!」(サザエさんじゃないっス)ダシには特有の緩い酸味もしっかり効いて、なかなかいい味です。もう少し「ガツン!」とくればなぁ・・なので、★5にはちょっと足りずに4つ。

ごん よみたん店 店内の様子 麺はまさしく、「すば」らしい。固めの仕上げで食感がしっかりしていて、モチッとした粘りも感じられます。★5つ満点です。トッピングは麺が見えない、全“麺”覆い。2片とも本ソーキは骨離れ良く、軟骨ソーキもしっかり煮込まれていて、とにかくトッピングのボリウム感も刻みネギがドッサリ載っているのもうれしいです。総合でも満足度の高い★5つでした。



所在地:中頭郡読谷村伊良皆230-2
定休日:無休
営業時間:平日11:00~17:00、土日祝祭日11:00~20:00 (いずれも売切れ次第終了)
電話:098-956-1085

2017年12月12日火曜日

那覇市・ゆうなみ坂下店・軟骨ソーキそば(平麺)

ゆうなみ坂下店の 軟骨ソーキそば(平麺) ■ ゆうなみ坂下店 ■

 「軟骨ソーキそば(平麺)」
  680円

 価格の満足度 ★★★★★
 麺の満足度  ★★★★★
 ダシの満足度 ★★★☆☆
 総合     ★★★★☆

 那覇在住当時の休日、栄町市場に隣接し、夜は居酒屋の『ゆうなみ』のそばを食べに、赤嶺から安里まで歩いて訪れたのももう10年前のこと。その安里『ゆうなみ』は健在で、10年前には工事中だった松川から真嘉比方面へ曲がる道路の角に、新たに坂下店があることを事前リサーチで確認していたので、のうれんプラザを後に、那覇到着日の二軒目として訪れることにしました。

ゆうなみ坂下店 お店の外観 素直に北上するひめゆり通りを安里へ抜けて、大道から松川を目指せばよかったものを・・・国道歩きを避け、マジムンが嫌うという曲がりくねった道も古い町並みも残る真和志エリアを、スマホ・マップも地図もなく、記憶と勘だけを頼りに最短距離で到達してやろうと思って歩き、三原で、大道へ抜ける道を安里への道と勘違いしてしまったのが運のツキ、東の繁多川から工業高校をグルッと遠回りするルートに入ってタイムロス。しかし、それはそれとしてこのルートを歩くのも何年ぶりかにはなるので、変わらぬ町並みの風景を愛でながら腹ごなしのウォーキングには、むしろよかったかも。

ゆうなみ坂下店 券売機 首里方面からの道路下から高みに出ると、『ゆうなみ坂下店』の真新しい感じの看板が目に入り、「自家製生麺」と嬉しい文字が見えます。看板の印象からすると、出店してさほど月日は過ぎていないのかもしれません。松川西交差点を渡ってお店に到着し、中に入ると店内も清潔で明るい印象ですが、午後3時近いこともあって先客はカップル一組だけでした。

 1時間ほど前に食した『島そば一丁目』の麺が柔らかめで、まだモヤモヤと「うまいそば食いたい!」願望が渦巻いていたところに、入り口脇の券売機でメニューボタンを確認していると「当店の麺は生麺により少し固めとなっております」と、硬“麺”派には嬉しい添え書きを発見して『ぅおっしゃ~っ!!』と胃袋が雄叫びを上げました(^^;。

ゆうなみ坂下店 サービスのフーチバー 基本メニューは、トッピング6種類×麺3種類=18通り。すなわち、三枚肉・ソーキ・軟骨ソーキ・ミックス・てびち・ゆし豆腐の6種トッピングに、細麺・平麺・よもぎ麺の3種麺を組み合わせることができます。トッピングは好物の軟骨ソーキに早々と決めましたが、麺は平麺とよもぎ麺の板ばさみで迷った末「固め」を信じて平麺に。

 食券を買い求めて店員さんに渡し、厨房近くのテーブルに陣取りました。おお、うれしいですね、サービスのフーチバもケース入りで置かれているではありませんか。平麺の『軟骨ソーキそば』が運ばれ、まずダシの確認。『島そば一丁目』の極薄味とは対照の今日(こんにち)的な濃い味つけゆえか、調味料系の味のようにも感じてしまう「味くーたー」は平均的な★3つでしょうか。

ゆうなみ坂下店 壁際にはカウンター席もあり 一方、自家製生麺の平麺は期待どおりコシが強靭で粘りもあり、太麺と同じしっかりとした食感を感じさせてくれるもの。文句なしの満点★5つと感じました。軟骨ソーキはかなり大きめで食べ応えがあり、軟骨部分がコリコリすることもなく、ダシとよくなじむ味で満足できました。お値段680円もこの内容なら文句なし!全体としては、ダシにあと少し個性が出せれば満点という感じの★4つということに。

所在地:那覇市松川301-15
定休日:無休
営業時間:11:00~20:00
電話:098-887-5080

那覇市・島そば一丁目・三枚肉そば

2017/12/12 島そば一番地 「三枚肉そば」  ■ 島そば一丁目 ■

 「三枚肉そば」
 800円

 価格の満足度:★★☆☆☆
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 ダシの満足度:★★★★☆
 総合    :★★★☆☆

 沖縄そば巡り行脚の旅に出かけると、初日は空港到着時刻の都合で、那覇市内の探索になるのが恒例ですが、今回は久しぶりの開南方面に足を伸ばしてみると・・・かの農連市場が、「のうれんプラザ」というどこにでもありそうな再開発ビルになっちゃってました。雰囲気は、うーん、なんだかチープ感がたっぷり。戦後のバラックから始まった農連市場の場末間が全く消え去った、無色透明な感じはどうなんでしょう。

島そば一番地 のうれんプラザ2階にあるお店の外観 そして、エントランスから2階へ直行するエスカレーターの脇に『島そば一丁目』という表示があったので、上がってみました。ちなみにエスカレーターは入館用2階行きの上り一方通行で、下りは階段利用ですから逆走はダメですよ~(^^;。上がった2階は平日午後のせいか人の気配がない感じでしたが、飲食店は何軒か営業をしており、エスカレーターを上がった場所の近くに、カウンター席だけの『島そば一丁目』がありました。

島そば一番地 2017年11月1日にオープンした のうれんプラザ内にできたお店 貼り出されているポスターを見ると、石垣の「八重山そば」系列のお店のようです。那覇で八重山そばといえば、前島三丁目の『ジュネ』を訪れたのは、もう10年前・・・。那覇ではそれ以来の八重山そば遭遇になりました。ともかくまだ真新しい建物の真新しいお店のカウンターに座ってカウンター上のメニューを手にして、「八重山そば」600円はまだしも、それ以外のメニューは値段の高さにいささかびっくり。「三枚肉そば」800円、「ソーキそば」950円、両方載った「コッキそば」は何と1050円。空港価格並みという印象です。

 高価格先制攻撃に一瞬ひるんだものの「三枚肉そば」を注文した後、カウンター内の端に祝開店の札が立った鉢植えの花が飾られているのに気がつき、あまり広くないスペースで調理を始めた店員さんにいつ開業したのか尋ねると、(2017年の)11月1日にのうれんプラザがオープンしてから、とのことでした。

島そば一番地 カウンター上のメニュー あまり待つことなく「三枚肉そば」は目の前に。まず三枚肉は1センチほどの厚めのが2片と標準的な5ミリ程度が3片で、なかなかのボリュームには見えます。ダシは多少濁った半透明な感じで、石垣産豚を長時間かけて煮込み、昆布と石垣の塩などろで仕上げているそうで、とてもいい味を出しています。やや薄味(塩分)に過ぎる感じもあり★4つですが、満点でもいいのかな・・・?

 麺はなぜか八重山そば系の丸麺ではなく、どこか亀浜麺のような感じもする平角麺で、しかもコシがなく柔らかいのでした。麺はちょっといただけず★2つ。気になって、「八重山そば」なら麺は別かと尋ねると、同じ麺とのこと。そして「麺が細い」と言ったオバーもいたとの由。つまりは石垣から麺を空輸しているわけではなく、那覇市内か周辺の製麺所の麺ということなのだろうなと解釈。

島そば一番地は、カウンターだけのお店です 三枚肉も、メーカーの既製品的な感じがどこか感じられ、ダシのレベルの高さに比べるといささかミスマッチ感もあったのですが、薄味のダシとケンカする濃い味付けではなく、おとなしいもの。自家製か既製品かはわかりませんでした。全体として、まずお値段の高め設定が不利になると思いますが、ダシに敬意を表して★3つです。

 これからの観光スポットとして、特に海外からのゲストをターゲットに据えた価格かもしれませんが、「のうれんプラザ」が立つエリアに以前あって再開発で壺屋側へ移転した『丸安そば』など、周辺には安いそば屋が存在するので、この価格では大苦戦するのでは・・・と心配になりました。

所在地:那覇市樋川2丁目3-1 のうれんブラザ205
定休日:不明(無休?)
営業時間:11:30~16:00
電話:098-831-5811

2017年7月7日金曜日

那覇市・ちゃるそば・なんこつソーキそば

ちゃるそばの なんこつソーキそば(大) ■ ちゃるそば  ■

 「なんこつソーキそば(大)」
 700円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 ダシの満足度:★★★★★
 総合    :★★★★☆

 台風3号に出鼻をくじかれ1日短縮した今回のそば巡り、最終日は恒例により那覇市街のそば屋へ。前夜、気温が下がってから町を歩き回り、雰囲気が大好きな栄町市場を通り抜けたら、懐かしき『麺樹(そばじゅ)』『まあぼう食堂』『ボトルネック』(未訪問)などの古くからの店が並ぶ一方、『ちゃるそば』という新しいそば屋ができているのを見つけたので、改めての訪問です。

ちゃるそば 栄町市場にあるお店の外観 前日夜、栄町市場からの帰りに、購入から24時間有効の大変ありがたいモノレール1日券を購入していたので、炎天下を歩かずにモノレール安里駅から行けるこのお店も、またありがたい存在でした。店は恐らく閉店した店跡を改装したようで、椅子はどこか学校の教室で使っているものに似た感じです。

 まだ午前中の開店直後で誰もいないお店に、この日の一番乗り訪問だったようですが、静かな雰囲気は栄町市場にいかにも似つかわしく、のんびりした感じがします。メニューは壁に貼られているので、前日に続いて「なんこつソーキそば(大)」を注文。こちらは700円なので、標準的なところでしょうか。

ちゃるそばの 厨房とカウンター席 ふとレジ近くに目をやると、2日後が投票日の那覇市議選挙の候補者の写真と名前が入った紙製のスタンドが。栄町市場にはこの候補者のポスターやらステッカーがやたらと目に付いたので、栄町市場関係者なのかもしれません。そういえば、ポスター掲示場で見かけた候補者の中には、鶏モモ肉のようなものを手にして「給食にステーキを」という公約?を掲げていた方もいらっしゃいましたが、どうなったことでしょうか。

 ほどなく運ばれてきた「なんこつソーキそば」。まず、刻み昆布のトッピングが目を惹きます。続いて炙りの入った軟骨ソーキ。なかなか個性的なそばですが、ダシは「なるほど!」です。昆布のトッピングのせいなのか、もともと昆布を効かせた味なのかわからないものの、カツオ風味ではなく昆布の風味が前面に出ているダシは珍しいなと思いました。上品な風味があるうえに薄味寄りなので、とてもいい感じのダシは満点。

ちゃるそば 店内のテーブル席 麺はオーソドックスな亀浜麺のような感じで、生麺ではないのですが、このタイプの麺としてはモソモソ・パサパサ感があまりまりません。ビニール袋を破って麺を湯に投入していたので、製麺所製の麺であることは間違いとして、そのような出自の麺としては最上級の仕上がりではないかということで、★4つです。

 軟骨ソーキは炙りの焦げ臭さが過度に出るものではなく、おとなしくダシと麺に馴染んでくれます。その他、トッピングは刻み昆布と刻みネギの他に、カマボコが1片。お値段相応以上の感じがして、総合も★4つでした。

ちゃるそば 出入口はこちらから 2泊3日で3店舗、予定していた北部方面探訪ができなくなり、毎年のように沖縄に行く日になると、それまで鳴りを潜めていた台風が、沖縄に向かったり、今回のように九州に上陸したり、事情を知る方々からは「嵐を呼ぶオトコ」(何とでも言うてハイヨ!)と、ありがたくない称号を授かっているので、また日を改めて出直さないと今回は完璧に不完全燃焼ツアーになりました。

所在地:那覇市安里388-1(栄町市場内)
定休日:日曜、第二・第四木曜
営業時間:11:00~21:00(売切次第終了)
電話:090-8294-6422

2017年7月6日木曜日

島尻郡南風原町・中村商店・なんこつソーキそば

南風原町の 中村商店の ナンコツソーキそば(大) ■ 中村商店 ■

 「なんこつソーキそば(大)」
 850円

 価格の満足度:★★☆☆☆
 麺の満足度 :★★★★☆
 ダシの満足度:★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 首里から与那原方面へ県道を走っていると、道路脇に「沖縄そばと定食のお店」という真新しい看板が目に入りました。与那原方面のそば屋を目指すつもりが、首里を出る時間が思いがけず遅くなってしまい、すでに午後3時を過ぎて空腹を我慢するのも辛い状態だったので、立ち寄ることにしました。
南風原町の 中村商店の看板 お店の中もまだ新しく、オープンして日が浅い感じでしたが、建物自体は二階建て上層がアパートで一階に店舗という構造の、前からあった古さを感じさるもので、店舗周りと内装だけリノベーションしたのでしょう。厨房では仕込みなのか片付けなのか、忙しそうにスタッフが動いており、厨房近くのカウンター席に座ろうとすると、「あちらへどうぞ」と、テーブル席に案内されました。


南風原町の 中村商店の 厨房とテーブル席 何となく「もう本日は、店じまい準備モードに入っています」という雰囲気を感じたので、カウンター席はすでにクローズしていたのでしょう。とはいえ、テーブル席では子連れファミリーが食事中だったので、閉店間際でもなさそうです。メニューを見ると、そば・定食・ちゃんぷるー・カレーの四本立てのようで、「カレーそば」という変わり種もありました。

南風原町 中村商店のメインメニュー そばメニューの部分には「三枚肉」「てびち」「ゆしどうふ」「ムラショー(中村商店の略でしょう)」が並んでいますが、何となく肝心の「ソーキ」がない??と思えば、別メニューに単独で「なんこつソーキそば あります」と大書されていました。迷わず「なんこつソーキそば(大)」を注文したのですが、全般にお値段はいささか高めの設定のようで、850円でした。

なんこつソーキそばだけは 別メニュー 定食かカレーを食べているらしいファミリー以外にはゲストがいなかったこともあり、3~4分で注文の品が厨房から運ばれてきました。最初に麺を確認すると、縮れの入った生麺タイプです。これは好み!!口に運ぶと期待どおりのツルツル感がありました。コシは特に強いわけではなくモチモチとしている程度ですが、自家製麺を特に謳っているわけではないので製麺所系の麺だとすれば、なかなかいい感じ★4つです。

中村商店 お店の入り口 軟骨ソーキは大きくも小さくもないものが3個、ダシによくなじむ味でしっかり煮込まれていました。トッピングは他にカマボコが1枚と、かなり少なめの刻み青ネギで、紅ショウガは別容器でトレイに載っていましたが、使いませんでした。ダシはごく普通にバランスよくできた普通のジョートー。個性が強いものではないだけに、少々平凡な感じもあり★3つにしました。

 食堂系のお店ということになるかもしれないので、既製品の麺やダシを使っている可能性はありますが、それなりにうまくまとめられたそば、という印象の★4つでした。お値段が高め設定なのが気になる点ですが。

所在地:島尻郡南風原町大名195-1
定休日:無休
営業時間:11:30~16:00
電話:098-889-3231

2017年7月5日水曜日

浦添市・うちなぁそば青雲・そーきそば(大)

浦添市の うちなぁそば青雲の そーきそば 大 ■ うちなぁそば青雲 ■

 「そーきそば(大)」
 750円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 ダシの満足度:★★★☆☆
 総合    :★★★★☆

 予定より一日遅れで沖縄に飛んだ今回の「そば」ツアーは時間との戦いで始まりました。那覇空港到着が午後1時近くになり、モノレールに飛び乗って、本来は朝から借りるはずだったレンタカーを国際通り沿いの営業所で借りたのが、午後1時半過ぎ。これといった当てもなく、とにかく浦添方面へ330号線を北上して、そば幟を探したもののなかなか見当たらず。

浦添市の うちなぁそば青雲は 坂の途中にあるお店です 浦添は58号線や330号線など主要道路に面したそば家さんが非常に少なく、道路が入り組んだエリアの路地沿いにある店が多いので、偶然そば家を見つけ出すのは至難の業です。あちこちさまよっているうちに、58号線に出てしまったので、那覇方面へ一旦戻って、屋富祖あたりの交差点から曲がってすぐのところに、ようやく一軒のそば家が営業しているのを発見したものの、何と駐車場がなく、路上駐車するわけにはいかないので訪問をあきらめて、事前にメモしてきた訪問候補の店から浦添市内の一軒を見つけ出し、カーナビに入力。最初からそうすりゃいいものを(^^;

浦添市の うちなぁそば青雲 お店のエントランス カーナビ様の言うとおりに車を走らせてたどりついたのは、パイプラインから経塚方面への道の途中にある『うちなぁそば青雲』というお店でした。かなりの急坂を登って、昭和薬科大学の方へ曲がる角にお店がありましたが、ここも何やら駐車場がなさそうな雰囲気なので、店の前のスペースに車を停め、お店のオーナーに声をかけると、「奥に停めてください」との由。店の先は大きな亀甲墓の前のスペースがあり、道はそこで行き止まり。何とか方向転換ができそうな広さはあるのでそのまま頭から突っ込んで駐車しました。

 店内は、厨房を囲むようにL字型に並らぶカウンター席だけですが、一番窓側の席に陣取り、涼しい店内の空気にホッとしながらメニューを探すと、壁のエアコンの下にメニューが貼られていました。そばは「ソーキそば」と「そば(三枚肉)」にそれぞれ大と小があるだけで、他も「じゅうしい」「ぜんざい」のみというシンプルなもの。

うちなぁそば青雲[浦添市] 厨房を囲むカウンター席 注文は当然のように「そーきそば」に決まり、空腹なのでもちろん(大)。他にお客さんはいないお店は、至って静か。かすかに環境音楽のようなBGMが流れていました。壁面には映画「地球交響曲」のポスターや、お客さんらしき人々の写真がビッシリと並らび、お店が坂の途中に立地していることもあって、窓からは那覇新港方面の街並みや海を展望することができるので、本当にのんびりとした雰囲気に浸れます。

浦添市の うちなぁそば青雲は エアコン下にメニューあり さて、カウンター越しに渡された「そーきそば」は、まるで壁面を埋め尽くした写真さながらに、刻みネギでビッシリと覆われていて麺がほとんど見えないほどの多さ。本ソーキ2個に丸カマボコのスライス2片が、ネギの海面から頭を出していました。まずダシをすすってみました。とてもバランスのよい感じでしたが個性的なものではなく、おとなし過ぎて「普通のダシ」という感じがします。塩味は少し濃いのかもしれませんが★3つの普通。

うちなぁそば青雲[浦添市] 店内のポスターと写真 いよいよ麺をネギの海から発掘し、口に運ぶと何とも素晴らしい麺です。太めの角麺は粘りがあってパサついた感じはなく、ツルリと喉を通ってゆきます。「自家製麺ですか?」と尋ねると、体格のいいオーナーは「そうです。毎日朝から作ってます。」とのことでした。なるほど!麺は満点★5つ。

 本ソーキは、しっかり調理されていて味はいくぶん濃い目でしょうか。やや肉の部分が少ない気もしましたが、生臭さや泥臭い感じはなく骨離れ良く仕上がっていました。総合的には、麺がキラリと光るそばで★4つ。これでダシにもう少し個性があればなぁ、と思いました。

 ところで、お店の屋号に何か聞き覚えがあったので調べてみると、首里の龍潭池近くの当蔵にあったほぼ同名の『うちなぁすば青雲』がこの地に移転したのだとか。首里のお店は、10年前の2007年9月23日に訪店していました。

所在地:浦添市沢岻1丁目48-1
定休日:木曜
営業時間:11:30~売切れまで
電話:098-927-2000

2017年1月27日金曜日

国頭郡恩納村・金月そば・沖縄そば(並)

恩納村 金月そばの沖縄そば 並 ■ 金月そば ■

 「沖縄そば(並)」
 650円

 価格の満足度:★★★★☆
 麺の満足度 :★★★★★
 ダシの満足度:★★★★★
 総合    :★★★★★

 昨年7月に沖縄を訪れた時、恩納村の国道58号線沿いにできていることに気づいた新しいお店です。恩納村は沖縄観光客のメッカですから、派手な看板やデコが目立つお店が多いというイメージが強い中で、こちらのお店の外観はむしろ地味系、あまり目立たない感じがしたのですが、看板の「沖縄県産小麦」と「自家製麺」の文字が強く印象に残って、昨夏は素通りしたところ、今回はぜひ訪問したいと思っていたのでした。

金月そばの外観 名護の『なかやま家』を出てから一路58号線を南下し、名護市から恩納村に入って最初のリゾートホテル群を通過したあと、名嘉真地区に入って国道が大きくカーブするあたりにお店はありました。裏にある駐車場に車を停め、玄関を開けたとたん、ライブハウスと見まごう(聴きまごう?)ばかりの大音量ロック系BGM。若いオーナーがやっているお店なので、オーナーの趣味なのかスタッフを含めて元気ですぜというアピールなのか、とにかくすごい音量です。

金月そばの券売機 左に券売機が置かれていたので、最初に食券を買おうとボタンを左から見ていくと、メニューはどうやらつけ麺タイプの『つけそば』がメインのようで、券売機上には『辛味噌野菜そば』の写真が大きく張り出されています。つけ麺タイプは眼中にない私としては、普通のそばはどこ??と慌てましたが、つけそばの右には『沖縄そば』のボタンもあったので一安心。そちらの並サイズの食券を買い、元気そうなスタッフに手渡してテーブルにつきました。

 午後1時半少し前の時間帯ながら、店内に他のお客さんの姿は見えず、まあ平日だからこんなものかと思っていると、もう一人若い男性客が入ってきました。厨房からはやはり元気に声がかかります。店内を見回すと壁に貼り紙が。小麦の持ち味を引き出す努力をしているらしく、昨年10月から麺をバージョンアップしたという主旨が書かれていました。ただ、沖縄県産小麦を使っているのはすべてのメニューではないらしく、県産地粉の沖縄そば用太麺だと追加料金が150円かかるそうで、券売機にオプション食券のボタンがありました。

週末の夜は居酒屋 日曜庵になるようです 麺は自家製麺とのことで、生麺なのでしょうか、注文から麺が運ばれるまで7~8分ほど時間がかかりました。眼前に据えられた盆には、朱色が印象的なまかいに入った縮れのある見るからにモチモチ感がする麺と澄んだダシの『沖縄そば』。まずダシを口に運ぶとカツオ節の香りが強烈で、酸味が少し混じるのは本格的なカツオダシならではでしょう。これだけカツオ味が効いているそばは、記憶にある範囲では那覇の『田そば』以来かもしれません。味わいに深みもあってながらスッキリと切れもいいので、ダシは大満足の★5つです。

 麺も期待にたがわずスバらしい(^^;・・・じゃなくて素晴らしい食感です。沖縄県産小麦ではない通常の麺ながら、さすが生麺というべきか、強いコシがあってツルリとした舌触りは最高の出来栄えで、麺も文句なしの満点★5つ。トッピングは三枚肉二枚とカマボコ一切れ。そのカマボコが丸ではなく角というのは珍しい気がします。三枚肉の味もダシととてもよく調和し馴染んでいました。課題は刻み青ネギの散らし方でしょうか。ダシ上に散らばるとどうしても散漫な感じがしてしまうので、千切りの白ねぎと同じように盛り付けてもらえれば、見栄えも向上することでしょう。

三枚の看板がかかる きんちちそばの外観 全体としても非常にハイレベルで美味しいそば。観光客が主体の恩納村にあって、これまでなかなかおいしいそばに遭遇できなかたのですが、このお店はその経験則を見事に覆してくれました。総合でも★5つです。

 ・・・とはいえどうしても苦言を一言・・・にならざるをえないのは、例の大音量BGM。好みではない音楽を大音量で聴かされるのは、いかにそばが美味しくとも耐え難いものがあります。ボリュームアップはそばだけにして、音のボリュームは控えめにしてほしいものです。外に出て、静かな沖縄の青空と風景に、ようやくホッとしました。

 改めてお店の看板を見ると、沖縄県麦生産組合が製粉所を併設しているようでした。看板はほかに、週末夜の部だけの居酒屋『日曜庵』と、県産小麦を使用したお菓子を製造する『f&f』が出ていましたが、どうやら同じお店の三枚看板のようです。ちなみに『金月そば』の読みは「きんちちそば」で、「きんげつそば」ではないとのこと。本店は読谷村にあるようです。

所在地:国頭郡恩納村名嘉真8-3
定休日:月曜
営業時間:11:00~16:00
電話:098-967-8492
お店のサイト:kintiti.ti-da.net/

名護市・なかやま家・ソーキそば

名護市 なかやま家のソーキそば 大 ■ なかやま家 ■

 「ソーキそば(大)」
 750円

 価格の満足度:★★★☆☆
 麺の満足度 :★★☆☆☆
 ダシの満足度:★★★★☆
 総合    :★★★☆☆

 本部町伊豆味から名護へ抜ける「そば街道」沿いにある老舗?で、いつか立ち寄ろうと気に留めつつもこれまで素通りが続き、とうとうこのエリアでは最後の訪問になってしまいました。名護方面からは国道58号線から名桜大学方面への県道84号線に折れ、パイナップルパークやフルーツらんどがある為又(びーまた)を過ぎた、中山地区の県道沿いにあるお店で、名護から上がるとブラジル食堂や大家への入り口よりも少し先になります。

なかやま家を南側から見た外観 店舗は大きな屋根の二階建てで、以前は壁に大きく『中山そば』と書かれて、外装もいささかくたびれていたのですが、リノベーションしたうえで「なかやま家」と屋号も変え、以前の暗く老朽化した店舗のイメージは、すっかり明るくなった感じがしました。ところで沖縄の歴史には「三山分立」という琉球王朝統一前の時代があり、その当時は「北山:ほくざん」「中山:ちゅうざん」「南山:なんざん」という地域に分かれていて、名護は今帰仁城の北山エリアではあるのですが、『中山そば』を「ちゅうざんそば」と読み間違えられないための配慮でしょうか。

 八重岳の桜を愛でたあと、本部方面から到着したので店舗北側にある駐車場に入ってみれば、そこは隣接店の駐車場(^^;。少々慌てましたが、県道の歩道脇になかやま家の玄関前を通り抜けられるスペースがあったので、お店の南側にある本来のなかやま家の駐車場に入ることができました。

なかやま家のメニュー 天気が良いこともあって店内に入ると明るさを感じました。見回しても券売機はなさそうなので、そのままテーブル席について卓上のメニューを確認すると、いたってシンプル。基本メニューは『ソーキそば』『三枚肉そば』『肉なしそば』のみに絞り込み、『なかやま家セット』として三枚肉そば+ジューシーがあるのみなので、『ソーキそば(大)』を注文しました。

店内の南の窓側 先客が二組いましたが、いずれも食事中だったので待ち時間は少なく、注文から2分もしない速攻でそばが運ばれてきました。見た目にすぐそれとわかったのは名護の平麺。大きめのソーキが三個乗っていてボリュームはありそうです。まずダシを一口啜ってみると、鶏ダシが少し入っているのでしょうか、独特のチキン臭が混じる気がしましたが、昆布やカツオとの合わせダシの味には深みがあり、なかなかの出来栄えで★4つ。ただ塩分がやや濃い方かもしれません。

なかやま家[名護市] 店内の厨房側 それから麺を口に運ぶと、キシメンのようでいて本来はコシがあってほしいところ、柔らかめのフニャッとした感じが少しあって、いささか残念でした。短時間で出てきたので茹で置き麺であることは間違いないでしょうが、のびた感じにならぬよう何とか改善してほしいところです。麺は期待値をちょっと下回って★2つかなぁ、残念ながら。

 トッピングのソーキは、骨がしっかりついた本ソーキではなく、どちらかといえば軟骨ソーキ系で、軟骨部分も食べようと思えば食べられるのですが、強いコリコリ感があって、柔らかい麺と一緒になると違和感ありです。この感じは、りうぼう地下の『みの家』以来かも。軟骨は無理をして食べない方がいいかもしれません。

 食べている間に、地元客らしい方々が次々にお店にやってきますが、観光客らしい姿は滞在中にはお目にかかりませんでした。地元の方が多いというのは、それだけこのお店の味が支持されている証でしょう。大きめのソーキ3個に大サイズでこのお値段ならお値段相応、総合も★3つで標準的なところでしょう。

所在地:名護市中山837-3
定休日:木曜
営業時間:10:30~16:00
電話:0980-53-1122